脱保湿という言葉を聞いたことがありますか。
脱保湿は、その名前の通り保湿剤の使用を止めることで、
いわゆる「なにもつけない」スキンケアということなのですが・・・

アトピーには、保湿が大切だという話はよく耳にするかと思います。
よって「脱保湿」をしてしまうとますます症状が酷くなってしまいそうな気もしますよね。

脱保湿は本当に効果があるのでしょうか…探ってみましょう!

「脱保湿」って・・・?

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まず、アトピーを根本的に治す方法は残念ながらありません。
そのため、アトピー症状をコントロールし落ち着かせることがゴールになっています。

ステロイド外用薬で痒みを和らげ、徐々に弱い薬に変え、
最終的にはには保湿剤のみでのケアを目指すという、ちょっと気が遠くなりそうな治療。

でも近年、こうしたアトピー治療に対して疑問を感じる人がいて、
そういう人たちに注目されているのがステロイドや保湿剤を使わない脱保湿です。

脱保湿は常に肌を保湿した状態にしておくことが保湿依存症をつくってしまい、
アトピー肌の回復を妨げていると考えることなんです。

でもこれを始めている人たちは、
効果に不安を覚えている人も多いようで…


今までしていた保湿をいきなりしなくなるとすれば不安ですよね…。

始めるときはとっても不安な「脱保湿」。

効果はあるの??

脱保湿の効果・・・それは賛否両論なんです。
実際にアトピーが良くなったという人もいますが、悪化したという人もいます。

また、アトピーの治療方法はもう「保湿」で確立しているんだから
邪道な方法はそもそもやる必要がないという人もいるんです。

ネットでは様々な情報が飛び交っていますよね。


保湿剤を塗るのを止める=「肌断食」というのですが、
アトピー肌の肌断食は辛いそうです。
肌はカピカピに乾燥するし、最初のうちはかゆみも半端じゃありません。


結構つらそうですよね…忍耐力が必要なんでしょうか。
しかし、それを乗り越えるとアトピーに負けない肌が育って症状が良くなる人もいるそう。

保湿剤を使うことのメリットだってあるんです!

脱保湿をすると、保湿剤やステロイドなどへの依存から脱却して、
アトピー肌を「元から」治す、というものでしたね。

でも、保湿剤はアトピー肌へのメリットもあるんですよ。
アトピーの症状で1番辛いのは、
動く度に乾燥した肌が引っ張られ痛痒いこと。

保湿剤は皮膚に潤いと弾力を持たせてくれるものなので、
痛みや痒みの状態を和らげてくれるんです。
保湿剤で体の痛みや痒みが少なくなっている分、無駄に掻いてしまう事も無くなりますもんね。

脱保湿以外に、「脱ステ(脱ステロイド)」という言葉がありますが、
これはステロイドというアトピーの薬を使わないことです。

「脱ステ」をしている間は、
痒みの軽減のために保湿剤を使うという人も多いそうですよ。
でもこれは少し危険を伴うこともあるようで…次で説明しますね。

アトピーに効果的なオイルについてはこちらの記事をご参考に!

脱保湿は様子を見ながら「ケースバイケース」で!

保湿も脱保湿も、それぞれにメリット・デメリットがあります。
自分のアトピー肌と向き合うためにも、
その時の様子を見ながら治療を進めていくのが1番ですよね。

まず標準治療(医師による特別な治療法でない)の場合は保湿剤の使用をおすすめします。

保湿剤を使用することで、
肌への刺激が強いステロイドを塗る期間・量を減らすことができます。
さらに肌を乾燥から保護し、痛み・痒みを和らげることができるのです。

では、脱保湿は、いつ行えばいいのでしょうか。
それは「脱ステ」をしている間だそうです。

先ほど脱ステの間は保湿剤を使う人も多いと言いましたが、
脱ステの直後は、皮膚のバリアが出来ていないので、
何を塗っても異物と捉え炎症を起こしてしまいます。
ここで保湿剤を使ってしまうと痛みは
一時的に抑えられるので我慢できてしまうのです。
このままでは皮膚はいつまでたっても回復しません。

脱ステからある程度経って、
皮膚のバリアが出来てきたら少しずつ保湿をしましょう。
試しに保湿剤を少し塗ってみて、
炎症が起きなければ皮膚はかなり回復している証拠です。

まとめ

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アトピーは、掻けば掻くほど症状が酷くなってしまいますが、
それにも増して痒い、というのが辛いところですよね。

ネット上では保湿をすべきだという考えもあれば
脱保湿をするべきだという考えもあります。

しかし、脱保湿をするということは、
今まで行ってきた薬や保湿剤を一度にやめてしまうことなので

ある程度の危険が伴うことを理解しておきましょう。
脱保湿をすべきか悩んだら、
必ずかかりつけの医師に相談するようにしてくださいね。

また、脱保湿直後は水分制限が必要になってきます。
水分を過度に摂りすぎてしまうと浸出液が増えるだけではなく、
皮膚の回復をも遅らせてしまうのです。

アトピーは長い目で見て付き合っていくものです。
焦りすぎは禁物ですよ!