バラ科によるアレルギーが増えているようです。
バラ科アレルギーは、大きく3種類に分けられます。

まず、アレルゲンとなる食物を口にしたとき、口の中がいがいがしたり、
痒くなる症状を口腔アレルギー症候群といいます。
バラ科の果物には、りんご、なし、もも、さくらんぼ、びわ、梅、アーモンドなどがあります。

次に、バラ科の植物でウメ花粉症やモモ花粉症というものがあります。
これらの植物の花粉により、咳やくしゃみ、鼻水、目の痒みなどのアレルギー症状が出ることがあります。

そして、バラ科の成分を含んだ化粧品により、アレルギー症状が出る方もいるようです。

肌は健康な方なのに、ある化粧品を使うと肌が荒れる…そこで成分を見てみると、
バラ科の成分が配合されている、ということがあります。

バラ科アレルギーは化粧品にも関係する?

バラは美容成分として様々な有効性が認められていますので、多くの化粧品に配合されています。
ローズの効能は…

  • 老化防止
  • 抗炎症作用
  • 鎮静作用
  • 保湿効果

成分としては、ローズエキスバラエキスローズウォーターローズヒップオイルなどと記載されています。

また、アーモンドもバラ科の植物ですので、アーモンドオイルも関連する成分といえます。
なお、バラ科の果物によるアレルギーや花粉症と、
バラ成分の化粧品によるアレルギーは、はっきりとした関係性は明らかになってはいません。
バラ科の食べ物にアレルギーを持っていなくても、化粧品の場合はアレルギーが起こるという方もいるようです。

バラは肌に効果が高い分、人によってはそれが刺激になる可能性があります。

例えば、バラの精油(エッセンシャルオイル)1滴は、約30本分のバラから作られます。
それだけ凝縮された希少なものですから、薬にもなれば毒にもなるのかもしれませんね。

バラ科アレルギーってどんなもの?

上述したとおり、バラ科アレルギーは3種類に分けられます。

  • バラ科の果物による口腔アレルギー症候群
  • バラ科の花粉による花粉症
  • バラ科成分配合の化粧品によるアレルギー

それぞれについて詳しくみていきましょう。

口腔アレルギー症候群

口腔アレルギー症候群(OAS)とは、アレルゲンとなる食物を食べる途中、
もしくは食べた直後に起きる即時型のアレルギー反応です。

その食物に触れる程度では、アレルギーの症状が出ることはありません。
口の中や喉、舌、唇がぴりぴりしたり、腫れや痒みなど、口の中だけにとどまった症状が特徴です。

花粉症

次に、バラ科の花粉症の時期は2月〜4月で、スギ花粉の飛散時期と重なります。
このため、スギ花粉症と間違われることもあるようです。
バラ科の植物であるウメ花粉症は和歌山県、モモ花粉症は山梨県に多く見られるそうです。
これらの地域は、それぞれの果物の産地として有名ですね。


このように、近年では、花粉症とバラ科果物のアレルギーの関連性があることも注目されています。

化粧品によるアレルギー

そして、バラ科成分によるアレルギー。
バラの香り成分により、頭が痛くなったり気分が悪くなることもあれば、
ローズウォーターなどのバラ成分により、肌が荒れたり、赤みや痒みが出ることがあります。

香害」という言葉が知られて久しいですが、実際にアレルギーを持っている方もいるので、
香りの強い化粧品の使用は、公共の場所では避けた方がいいかもしれません。

バラ科アレルギーでも安心して使えるコスメは?

慎重になりすぎるのも困りますが、バラ科の化粧品のアレルギーだと思う場合は、
成分表示をよく見るようにして下さい。

そして、バラの香りが好きなのに、バラアレルギーという方には、ゼラニウムがおすすめです。

ゼラニウムは「ローズゼラニウム」とも呼ばれ、バラに似た香りがします。
実際にバラの香り成分と同様のものも含まれています。

また、ゼラニウムには皮脂分泌調整作用のほか、
殺菌効果血流改善作用がありますので、どの肌質にも嬉しい効果ばかりです。

アレルギー反応が肌に出た時の対処法は?

赤み痒みなどのアレルギー反応が出た場合、まずは原因となる化粧品の使用を中止してください。

また、蕁麻疹などの症状が酷い場合は、皮膚科に相談してください。
他にも、次のような対処法があります。

熱いお風呂に入らない

熱いお湯は、肌から必要な皮脂まで奪い、乾燥させる原因となります。

また、痒みや蕁麻疹を悪化させる原因にもなりますので、短時間で済ませてください。

保湿する

皮膚表面のバリア機能を正常に保つためには、保湿が有効です。
病院で処方される保湿剤はもちろん、調子が悪いときのために、低刺激の基礎化粧品を揃えておくとさらに安心です。

刺激物の食品を避ける

これはアレルゲンとなる食品ではなく、ポテトチップスなどの揚げ物や、
香辛料の強いものを指します。
また、チョコレートなどの糖分の強いものも刺激物となります。

バラ科アレルギーになってしまったと感じた場合、配合成分に慎重になってしまうと思いますが
まずは、規則正しい生活や食事で、免疫機能を正常に戻すことを心がけてみてはいかがでしょうか。

また、「植物由来の成分」「オーガニック」と謳われている化粧品が
必ずしも肌に優しいというわけではありません。

植物の力は大きく、それが良い方向に効くこともあれば、刺激になってしまうこともあります。
また、体調により変化することもあります。
香りや使用感など、好みの問題もあるので誰にでもぴったり合う化粧品というものは、残念ながら存在しません。

出来ることは、乾燥肌や敏感肌、アトピーなど、自分と似た肌状態の方の口コミを参考に、試していくことです。

まとめ

バラ科アレルギーは3種類に分けられることがわかりましたね。

また、アレルギーが出たときの対処法として、下記が挙げられます。

  • 原因となる化粧品の使用を中止する
  • 熱いお風呂に入らない
  • 保湿する
  • 刺激物を避ける

赤みや痒み、蕁麻疹など、アレルギーは地味な症状とはいえ、本人はつらいもの。

バラ科の植物は多種類にわたりますので、バラ科アレルギーになったと思うと、
自由な選択が出来なくなってしまうかもしれません。

でも、そこで几帳面になりすぎて、好きなものが使えなくなるのは悲しいことです。
また、ストレスも肌荒れやアレルギーの原因となります。

まずは栄養と睡眠をしっかりとり、心と身体の体調を整え、そのうえで自分に合う化粧品を探してみてください。