病気の治療にピルを服用している場合、寝汗が酷くなる人がいるようです。

ピルの中でもよく処方される低容量ピルは
安全な薬として世界的に認識されていますが、
基本的にホルモン剤である事は間違いありません。
その影響で、寝汗をかくという事例は何件か散見されます。

低用量ピルでも自律神経になんらかの影響を与えるという事なのでしょう。

ピルとは?

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ピルは元々経口避妊薬として開発された薬です。
アメリカを始めとする海外ではすでに30年以上の歴史があり、
初期に使われていた高容量ピルの場合、重篤な副作用を起こす事もありました。

しかし、現在はほとんどの場合成分を薄めた低用量ピルによって、
避妊や治療を行っているので安全性が高まり、酷い副作用はほぼ無くなっています

ピルには2種類の女性ホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン)と
黄体ホルモンである(プロゲストーゲン)が配合されています。

女性の身体の状態はこの2種類の女性ホルモンの分泌量によって
決められていると言ってしまっても良いぐらい女性ホルモンによって大きく変動します。

そんなピルですが、いわば身体のスイッチであるホルモンに
手を加えるという事ですから
やはり身体が普段とは違う症状を示すのは当然とも言えます。

寝汗とピルの関係とは

寝汗は暑いからかくというだけではありません。
発汗は身体の状態と密接に関係しているのです。

汗をコントロールしているのは自律神経ですが、
なんらかの影響でこの自律神経のコントロールが乱れると、
時ならぬ汗をかく事があります。

例えば内臓の疾患や白血病などで寝汗が酷くなるのは有名な話です。
女性はホルモンバランスが乱れやすく、そのせいで寝汗をかく場合があります。

女性特有の寝汗としては月経前症候群や更年期障害によって
寝汗をかく事が知られています。

共にホルモンバランスが乱れる事で起こる身体的な障害なので、
女性の場合はこのようにホルモンバランスが乱れると
自律神経も乱れるという事が良く分かります。

ピルはホルモンバランスを変化させる薬なので
その影響で寝汗をかく事は十分考えられるのです。


実際にこのようなピルの服用によると思われる寝汗の症状が報告されています。

ピルについてはこちらの記事もご参考に!

ピルを服用して寝汗をかいたら

前述した月経前症候群や更年期障害は
ホルモンバランスが乱れた際に起こる症状ですが、
ピルの場合はあえて意識してホルモンバランスを変化させています。

つまりある意味寝汗は
ピル服用の副作用としては起こっておかしくない症状なのです。

これらの副作用について
病院関係によるピルについての説明を見てみると、
一覧には含まれていませんが、倦怠感、ニキビ、不正出血などが挙げられていて、
これらの症状は大体1ヶ月から2ヶ月で収まるとされています。

これらも自律神経失調によって起こり得る症状なので、
寝汗も同じような物だと考えれば、
やはりそのぐらいで落ち着くと考えて良いでしょう。

しかし、これも前述したように、
寝汗をかく病気には身体に重大な影響を与える物がありますので、
一応きちんと病院で検査を受けた方が良いでしょう。

ピルを飲んでいるから寝汗をかいて当然と考えると、
これらの病気の発見が遅れる場合があります。
最も危険なのは思い込みです。
くれぐれも放置だけはしないようにお願いします。

寝ている間に汗をかくと布団や枕の汚れも多くなります。
湿気の多い布団はカビやダニが繁殖しやすい環境となるので注意が必要です。

こまめにシーツを洗い、布団を干すようにしましょう。

また、除湿マットなどを使用すると湿気を吸い取ってくれるので
カビやダニの繁殖予防だけでなく、臭いも予防してくれますよ。

漢方で症状改善

漢方には自律神経を調整する薬もあり、
ピルによる症状の緩和も出来るようです。

病院でも症状の緩和に漢方を処方する場合もあり、
実際に利用している人は多いと思われます。


実際に漢方を利用してもすぐには実感が無い事が多いようですが、
漢方はゆっくりと身体を調整する薬なので、
西洋医学の調剤のようには実感が無いのだと思われます。

体内の調整というのは一人一人の状態を見ながらの調整になるので、
出来れば漢方も行きつけの掛かり付けのお医者さんを見付けておいた方が良いと思われます。

漢方も西洋医学もそれぞれの良さがあります。
いざ病気になった場合には
両方の良さを活かした治療を受ける事が出来るのが理想ですね。

最近では内科病院の多くは漢方治療も取り入れていて、
症状によって使い分けてくれるお医者さんも多いようです。

体調管理をきちんとしたい方は信頼出来る
掛かり付け医を見付ける事が近道かもしれません。